前置き
AnbernicのRG35XX Hのレビューを書きたい。
完全ワイヤレスのイヤフォンとかは色々買っているのにレビューを書いていないなあと思ったので、今後はブログに色々レビュー書いておこうかなという気持ち。この系統については、今後PowkiddyのRGB30、Miyoo mini、Miyoo mini plus(MM+)についても書いていきたい気もするが……。
記事の方向性として、初心者向けに分かりやすく書くかどうか迷ったが、ジャンルがジャンルなので、あまり初心者向けのことは書かないことにする。
RG35XX Hの位置づけ
で、今回のはこちら。
参考としてAmazonアフィリエイトで商品リンクを貼る。
Anbernicは日本向けストアもあるが、中国からの発送になって届くまで時間がかかる。
その分、公式からだとAmazonで代理販売店をしているWhatskoとかよりも若干安く入手ができる。あと公式からだと最新ファームウェアが早く掲載されるリンクが貰えるとか書いてあるのは気になるところ……だが(後述するが公式ファームウェアがあんまり……)。
端末の特徴を書くが、まず、RG35XXはシリーズとして展開されていて、RG35XX、RG35XX Plus、RG35XX Hの三種類がある。RG35XXとRG35XX Plusは縦型モデル。RG35XX Hは横型。
オリジナルのRG35XXは一番古いのでCPUが少し古いのだが、2024年モデルからは他のと同じH700 quad-core ARM Cortex-A53にリニューアルされるらしい(詳細情報がない)。
その結果、RG35XXとRG35XX Plusの違いは、RG35XXにはWiFiとBluetoothがないぐらいになるのだろうか。まぁ、技適の関係があるので日本のユーザーからすると実質どっちでも変わらないような……。
で、今回触れるのはRG35XX H。他の端末はよく分からないのであしからず。(ちなみにだが、HはPlusを横型にしたデバイスと評されているっぽい。アナログスティックも増えてるけど)
ハード的な感想
結論から言えば、このハード、ハードとしては非常によいと思う。Anbernicはビルドクオリティが高いと評判だが、実際そうだと思える。
価格として1万円ほどのデバイス(円安になる前だと8000円以下だったと思うが……)なので、プラスチック主体のガジェットではあるが、質の悪い安物という感じはしない。むしろ今国内でこの価格でこのような出来にすることは無理だと思う。
サイズ感もよい。公称値は14.5cm x 6.9 cm x 1.6 cmで180g。デバイスとしては小さめ路線で、RGB30の縦幅を切り詰めたような形状でコンパクトにまとまっていて重量も軽め。密度はそれなりにあるが。
(アナログスティックを2本搭載しているにしては小さい。RGB30は液晶が1:1の720x720になっているので縦幅が長いが、そのことによるメリットも大きいため、RGB30がコンパクトではないという意味ではない)
画面は640x480の3.5インチのフルラミネーションのIPSとなっていてかなりよい。基本的にはMiyoo mini plusと同じ感じ。4:3なので横長系のコンテンツに向いている。
ボタンなどは基本的に不満がないが、SELECTとSTARTボタンがちょっと出っ張りすぎてて爪が当たるときがある。
ソフト面はちょっと……
一方で、ソフト面はあんまりよくない。メーカー出荷時のストックOSはなんか……安物デバイスのやつ……って感じの出来であるのはさておいて、ユーザーの有志が作成しているカスタムファームウェアもまだ未成熟だと思える。
一通り試してみたところ、現時点ではMuOSが一番良い(と思った)。
ただし、MuOSはRetroArchを薄くラップしている感じなので(だからこそ分かりやすい部分もあるが)、あんまりこの手のソフトのこと詳しくないんです……という人にはBatocera(をユーザーがRG35XX H向けにビルドしてくれているもの)の方がいいかもしれない。
ただしBatoceraはBatoceraでv40系はまだ始まったばかりということもあって、細かいところでちょっと不便というか難しさがある。
たとえば、OSD通知のフォントが日本語フォントにできないとか(設定を弄って解決できる問題も多いのだが、これどうすればいいんだ? ってのがある)。
まぁ、MuOSも設定で有効にしたツールのデフォのTCPポート番号何なんだろう? みたいなことがあるが……。
(Discordでその辺の説明が大体されているっぽいが、Web上には公式どころかRedditにも情報がないことがある)
とはいえ、その辺のソフト的な不都合が大分改善されるのでは? みたいな記事を最近見かけた(元々H700というSoCの情報が少なくて出来ないことがあったのが、解決したのでBatoceraが公式にサポートするようになるのでは? みたいな話)ので、今後に期待はできそう。
なんせ出たばかりだしね。
ライバルとの比較
ライバルとしてはPowkidyyのRGB30やMiyoo mini plusだと思うが、Miyoo mini plusはSoCの性能が結構低いので、こっちのほうがいいかなあと思う。ソフトウェアは現段階ではMiyoo mini plusの方が上だが。SoCの性能の頭打ちだけはどうしようもないので。
縦型端末と横型端末なので、直接的な比較は難しいがサイズ感があんまり変わらないことを考えると……という感じ。価格差もそこまでないし……。
まあSoCの性能が高くてみっしり詰まっている分、発熱が若干多いかなと感じることもあるのだが。
話は変わるが、Miyoo mini(plusではない無印)はサイズ感が一回り小さいのがメリットなので、実はこの辺のライバルではないと思う。Miyoo miniはWiFiもBTもないし。
RGB30との比較では……何でも出来る感はRGB30の方が高い(性能的には大差ないが、1:1のディスプレイは縦に広くとりたいコンテンツでも強いので)。一方で、RGB30の方が縦幅が長く、厚みも少し上なので携帯性ではこちらが上。
現段階ではソフトウェアはRGB30の方がよい。……という感じ。
まあでも縦幅が広めな方がいいコンテンツってあんまりないので、そこをどれだけ重要視するかであろう。
……個人的にはAnbernicに1:1ディスプレイのハード作って欲しい。
期待すること
欠点は明らかにソフト面なのでそこが改善されたらいいんじゃないかな感。基本的なファームウェア面が……というよりも、見た目や操作性や利便性がちょっとあまりにもなーという感じ。
形状はこれで完成されているだろう。
あとはもう少し発熱が下がると……かな? ちょっとだけ不快感があるときもあるので。それと本体のカラーバリエーションかな。金属シェルのモデルもあっての廉価版感があるから、そこまで期待してはいけないのかもしれないが。