ElgatoのStream Deck+を買ったので取り急ぎ第一印象

2024-01-04 18:20:52

日本語圏の人にとって、Steam DeckとStream Deckは非常に紛らわしいのだが、今回買ったのはElgatoのStream Deck+という配信者向けのガジェットである。

ただし、配信者でなくても役に立つ。

Stream Deckがざっくりどのような機器かというと、仮想キーボードである。左手デバイスとも言える(自分は右手で使うけれども)。

キーボードの操作やアプリの起動、複数の操作のショートカットの割り当てが出来る他、Stream Deckアプリにプラグインがある場合は、もう少し深めのアプリ操作も可能という感じ。ボタンは液晶になっているので、アイコンや文字などを表示できる。

プラグインで出来ることは、具体的に例を挙げるとOBSのシーン切り替えとか配信停止・開始などの操作、Apple Musicのちょっとした再生操作、Discordの操作などの他、IFTTTの操作やWebHookの実行やWebAPIの呼び出しなどなど。

一覧は以下から参照できる。見るだけならアカウント登録は多分いらないはず。

https://marketplace.elgato.com/stream-deck/plugins

ZG01で動かない……動いた

で、今回この記事を書こうと思った理由の一つだが、自分が使っているYamahaのZG01というオーディオインターフェースに対応するプラグインも存在するが、すぐには動かなかった(が解決した)。

動かないなー、なんでだろうとちょっと悩んだ結果、プラグインのリリース時期が2023/12だったので、多分その辺でZG01のツールであるZG Controller側にもアプデが来ているのだろうと思ったら、その通りで、2.0が出ていたというオチ。

(なお、2.0をインストールしたところ、ZG01のファームウェアのmainを1.10から1.50.7に上げるように指示が出たのでそのアップデートも行った)

結果としてZGシリーズ用のプラグインを経由することで、Stream Deck+のダイヤルでメイン出力先をスピーカー・イヤフォンに切り替えたり、ZG01側の音量設定も弄れるようになった。

ZG01のマイクミュートボタンもStream Deck+のボタンで操作できるので、基本的にZG01を操作する必要はなくなる。

ZG01は操作しやすいデバイスだが、配信中にZG01とStream Deck+とOBSと……などと操作対象が増えるとミスが増えるので、これはありがたい。

ただし、動作にはZG Controllerアプリが立ち上がっている必要がある。仕方ないところだろうが、ここはちょっと残念。(ボタン操作の反映は即座に行われるが、実際にはアプリ経由で処理しているのだろうか)

話を元に戻そう。

Stream Deckのモデルの違い

で、このStream Deckなのだが、複数のモデルがある。現行モデルと呼べるのはMini、XL、MK.2、+(plus。以降はStream Deck+とフルで書く)だと思う。初代がMK.2に変わったという感じ。

Mini、MK.2、XLの違いは明快で、付いているボタンの数と本体サイズが違う。Miniは6個で、MK.2は15個で、XLは32個だ。

6個なら6個しかショートカット操作ができないかというと、そんなことはなくて、ページ切り替えをボタンに割り当てることが可能。なので、一般的な用途だと32個は流石に多いと思うが、スタジオで使うとかなら意味がありそう。

で、これらに対してStream Deck+は8個だけ。最新モデルではあるのだが、ボタンは減っている。しかし、その代わりに4つのダイヤルとそれに対応する横長のタッチディスプレイがついている。

音量調整のような操作や、シーク操作に関してはダイヤルが直感的で便利なのは言うまでもない。ただ、その一方で、価格の上昇とダイヤルに対応するプラグインの提供状況がちょっと弱い……という欠点はある。場所もMK.2より広めに取ってしまうし。

ただまあ、自分はオーディオ周りの調整をすることが多いので、Stream Deck+にしてみた。

Macのミキサー周りの話

ここからはmacOSならではの話なのだが、Windowsには音量調整のために昔からミキサーのアプリというか設定画面があって、アプリ間の音量調整とかがやりやすくなっている。

でもMacの場合は標準ではそれに該当する機能がない。そのため、自分はSoundSourceというサードパーティーのアプリを利用していた。

これは強力なツールで、ただ音量調整するだけではなく個別のイコライザ適用のみならず、音量ブーストという自動調整のコンプレッサーのような機能がついている。日本語で説明すると小さい音を一定まで大きくする機能だ。

YouTubeやTwitchのようなライブ配信では、配信者の音量設定がさまざまなので、視聴者が都度音量調整をする必要があるし、複数の配信を見ているときに調整が難しかったり、ゲーム音とマイク音のバランスが悪い場合に聞き取りにくいことがある。

が、この機能を使うことでとりあえず聞き取れるような感じにはなる。(音量を無理やり一定にするので違和感はある)

ただ、このSoundSourceというアプリは残念ながらStream Deckには対応していない。

標準のミキサーもなく、SoundSourceのプラグインもないということは、個別のアプリの音調整ができない……かというと、そうではなく、Elgatoが提供しているWave Linkというツールが使える。

本来Wave LinkアプリはElgato製のマイクに付属しているツールなのだが、Stream Deck+を使っている場合は利用可能になるようで、このツールがアプリごとの入力音量の変更をサポートしてくれている。

それどころか、仮想オーディオデバイスとして機能しているようで、Wave Linkに入力した音をモニター用の出力と配信用の出力として別々の音量設定で(つまり一部ミュートもできるということ)取り出すこともできる。

SoundSourceにあったブースト機能の代替は……というと、各入力(アプリやデバイス)に対してサウンドエフェクトをかけることができ、コンプレッサーも含むかなりの量のエフェクトがあることは確認できている。(おそらくmacOSのオーディオ周りと同じでVSTプラグインは使えるっぽい)

遅延についてはまだ確認できていないが、とりあえず必要なことは全部出来そうな気がしている。もちろん、ダイヤルで調整するのを諦めてSoundSourceと併用してもよいのだ。

適当なまとめ

とまあこんな感じで、macOSだとStream Deck+の強みと言えるダイヤルも、もしかするとちょっと不便なとこあるかな……と最初は思っていたのだが、想像以上に問題ないようで、第一印象はかなり良いデバイスだよという形で締めくくりたいと思う。

ちなみにStream DeckだがiPhoneやAndroid端末をデバイス代わりに使うモードもあるので、どんな感じで使えるか試してみたい人は、無料で触ってみることができる。

結局、Stream Deck+にするかどうかはダイヤルをどれだけ使うか(上のプラグインの一覧で、Dial Supportしているものを見てみるといいかも……ただ対応するものが今後増える可能性もあるのが悩ましいところかもしれない)、設置面積の問題などで決まってくると思う。

MK2と比べて1万円ほど高いのも考慮することになると思うが、それよりは場所とか使い方を考えたほうがいいのではないかと。しばらくスマートフォンで使ってみるのも普通にあり。

journalmacosgadgetstreamdeckplus

折口詠人

「書くこと」のリハビリが必要なのに、最近はゲームばかりしているとかしていないとか。

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