Steam DeckからXboxのRemote Playを利用したかったので、設定してみました。
もちろん、非公式なソフトウェアの導入等を含む内容になりますので、何かあっても自己責任です。
キーボードや外部ディスプレイの接続は必要ありません(文字入力でちょっとだけ苦労しますが)。開発者モードとかに切り替える必要があるのでは? と思うかもしれませんが、それも必要ありません。
端的な手順は以下の通りです。
- Steam Deckをデスクトップ(モード)に切り替える
- App Image Launcherをダウンロードする(ブラウザがない場合は先にFirefox等のブラウザをインストールする)
- App Image Launcherのプロパティを実行可能にし、ターミナルから実行してインストールする
- Xbox xCloud Clientをダウンロードする
- Xbox xCloud Clientをインストールする(Applicationsフォルダにコピーするだけ)
- SteamクライアントアプリからXbox xCloud Clientを起動できるようにする(スタートメニューのXbox-xCloudを右クリックして「Add to Steam」する)
- Xbox xCloud Clientの細かい起動設定を行う(起動オプションに –fullscreenを付けたりする)
- 最後に忘れてはいけないこと(XboxボタンをL4とかR4とかに割り当てる)
これだけだと不安な方なために、もう少し詳しいことを書きます。
YouTube等には動画での解説をされている方もいます。英語が多いですが、私の説明と照らし合わせればなんとかなるかと思います。
1. Steam Deckをデスクトップ(モード)に切り替える
デスクトップ(モード)への切り替えは電源ボタンを長押しして出てきたメニューで「デスクトップへの切り替え」を選ぶだけです。 SteamOSのデスクトップ画面が表示されます。
なお、本体で操作する場合は、以下のことを覚えておいてください。
- 右のトラックパッドでカーソルを動かし、R2トリガーボタンで左クリックを行います。
- L2が右クリックですが、画面長押しも右クリック扱いです。
- まれにスクロールが必要なときがありますが、R2トリガーボタンを押しながら左トラックパッドで指を滑らせることで可能です。(この記事を書いてしばらく触って気づいたんですが、R2押さずに左トラックパッドだけでいけるかもです……)
2. App Image Launcherをダウンロードする(ブラウザがない場合は先にFirefox等のブラウザをインストールする)
さて、ここからブラウザを利用してApp Image Laucherをダウンロードしたいのですが、そもそもブラウザが入っていません。
とはいえ、左下のFirefoxのアイコンは「Install Firefox」というインストーラーへのショートカットになっているので、クリックしてインストールを開始するだけです。
パッケージマネージャが開いてInstalボタンを押すだけになっているので、特に難しいことはないと思います。
(ブラウザは別にFirefoxでなくても構いませんし、なんならブラウザじゃなくてもいいんですが、細かいことを言い出すとキリがないので……)
インストールしたブラウザを利用して、App Image LauncherをGitHubよりダウンロード します。
(私が導入した時の最新版はv2.2.0でした。具体的には、appimagelauncher-lite-2.2.0-travis995-0f91801-x86_64.AppImageです。より新しいバージョンが出ている場合は、そちらでもよいでしょう。ただし、x86_64向けのAppImageが必要です)
URLの入力は、アドレスバーでSteamボタンとXボタンを同時押しすることでスクリーンキーボードを立ち上げて行うことになります。
おそらくここがかなり面倒です。検索から行く手もありますが、この記事を読んでいる方なら私のブログを表示してこの記事に辿りついてからリンクをクリックするのも一つの手かもしれません(このブログのURLはかなり短いので)。
あ、そうそう。スクリーンキーボードをしまう時は、スクリーンキーボード内の右下のキーボードボタンをタップする方が早いと思います。 (Steamボタン + Xボタン でしまえるはずなのですが、文字入力じゃないところにフォーカスが移っているとダメっぽい)
ダウンロードしたファイルは「Downloads」フォルダに入ります。デスクトップのタスクバーにある青いファイラーの形をしたアイコンがSteamOS 3.x系列のファイルマネージャーのDolphinですので、こちらを開いてDownloadsフォルダにあることを確認します。
3. App Image Launcherのプロパティを実行可能にし、ターミナルから実行してインストールする
ここで、アイコンを長押しして右クリックメニューを出し、「Rename」を選んでファイル名を「ail.AppImage」にリネームしておきます。
(やらなくてもいいんですが、この直後の文字入力でとても面倒です。ターミナルでの操作に慣れている人でも、スクリーンキーボードでtabキーを押して「入力補完されないだと……!?」となります)
再び長押しして「Properties」を選んで、上のタブから「Permissions」を選んで「Is executable」のチェックボックスにチェックを入れ、その下のOKボタンをクリックして保存します。(実行が可能になります)
今度はファイルではなくその周りの空いているスペースを長押しして、「Open Terminal Here」を選びます。
ターミナルが起動したら「./ail.AppImage install」と入力してスクリーンキーボードの「Enter」ボタンを押します。
折り返し込みで4行程度の文字列が表示されますが、最後の行に「AppImageLauncher Lite has been Installed successfully.」と表示されていればOKです。
4. Xbox xCloud Clientをダウンロードする
実際に使用するアプリケーションを導入しましょう。
こちらもGitHubで公開されているXbox xCloud Client です。
ダウンロードは先ほどとほぼ同じ手順で、AppImage形式のファイルを入手します。(私は1.2.0にしました)
5. Xbox xCloud Clientをインストールする(Applicationsフォルダにコピーするだけ)
App Image Launcherがインストールされているので、これは簡単です。
ダウンロードしたAppImageファイルを長押しして、「Copy」をクリックして、「Home」フォルダにできている「Applications」フォルダを開いて、何もないフォルダ内を長押しして「Paste One File」を選びます。
それでインストールは完了です。
6. SteamクライアントアプリからXbox xCloud Clientを起動できるようにする(スタートメニューのXbox-xCloudを右クリックして「Add to Steam」する)
Windowsでいうところのスタートボタン(デスクトップの一番左下にあるSteam Deckアイコンのボタン)をタップして、検索欄に「xb」などと入力してXbox xCloud Clientを探します。(1.2.0の場合はXbox-xCloud(1.2.0)という名前です)
見つけたら長押しして、「Add to Steam」をクリックします。
(なぜだか分からないのですが、Utilitiesに分類されているXbox-xCloudアプリを長押しから同じ操作を行った場合、実際にはSteamライブラリに追加されていませんでした。次の項で見つからないのですぐに分かります)
7. Xbox xCloud Clientの細かい起動設定を行う(起動オプションに –fullscreenを付けたりする)
デスクトップモードのままSteamを起動します。単にSteamボタンを押して少し待てば起動すると思いますが、デスクトップやスタートメニューから起動してもいいです。
ライブラリのゲームの検索欄を使って、「xb」などと入力してXbox-xCloud(1.2.0)を表示させます。歯車ボタンをクリックしてプロパティを表示します。(PCでSteamゲームのプロパティを表示するのと同じ、いつもの操作です)
起動オプションが –no-sandboxになっていると思いますので、その後にスペース区切りでオプションを付け加えます。
「–no-sandbox –fullscreen –connect=(Xbox ネットワーク デバイス ID)」とするのがお勧めです。–fullscreenは文字通りフルスクリーンでの起動のためのオプションです。
–connect=(Xbox ネットワーク デバイス ID)は、接続先のXboxをつど選ぶ画面をスキップして、指定のXboxに接続できるようになります。
XboxネットワークデバイスIDのところは、Xboxで、設定アプリのシステム→本体情報と辿れば表示されています。16桁ぐらいあります。(Xbox Series Sの場合です。Oneの場合はちょっと違うところに書いてあるかも。っていうかこれMACアドレスか。多分そうですね、確認してないですけども)
まあ、connect〜は設定しなくてもいいですが、Xboxが一台しかない場合は設定しておいた方が楽だと思います。
8. 最後に忘れてはいけないこと(XboxボタンをL4とかR4とかに割り当てる)
Downloadsに残っているファイルは不要なので削除してください。
デスクトップ左上のアイコン「Return to Gaming Mode」アイコンをタップして、デスクトップモードからゲーミングモードに戻ります(戻る時は電源ボタンではないようなので注意した方がいいでしょう)。
あとはXbox-xCloud Clientがゲーム一覧に増えているので、起動すればXbox Remote Playができます。初回はIDとパスワードの認証で時間がかかりますが、サインイン情報を記憶させてしまえば都度入力する必要はなくなります。
(ちなみにですが、通常時のゲーミングモードと、デスクトップモードだとボタンの割り当てが違うので、確認のためにとりあえずデスクトップモードで起動……とかやると「何も操作できないんだが?」となってしまいます。ゲーミングモードに戻ってから確認する方がいいかと思います)
これで完成……だと思ってしまいますが、多少触っているとXboxコントローラーにはあるXboxボタンが押せなくて困ると思います。
Steamボタンからアプリのコントローラー設定を開いて、背面ボタンのL4とかR4あたりにキーボードのNキーを割り当てましょう。
これでいい感じにXbox Remote Playが楽しめると思います。
(設定しながらこの記事を書いたので、私自身あまり試せていないのですが……繰り返しになりますが自己責任でお願い致します)
たまに接続に30秒ぐらいかかって、その間Deck側は白い画面で焦ることがあります。
どうしても繋がらないようならSteamボタンを押して一旦「ゲームを終了」すればよいと思います。銀河ヒッチハイク・ガイドにも Don’t Panic.(パニくるな) と書かれています。
2022-12-27 23:01追記。
終了のさせ方というか、切断の仕方に一瞬戸惑ったので。画面の上をタップすると上部にメニューが出ますので、そこからDisconnectで切断するのがよいかと思います。
Steamボタンを押してゲーム終了で落とすと、繋がったまま通信が無くなったみたいな扱いになるので、おそらくセッションなりが維持されて、次に使うときの接続でエラー処理が発生して時間がかかりそう。
あと、この方法というかリモートプレイの技術的な制限なのですが、少しだけ遅延を感じるように思います。Forza Horizon 5を少しプレイしてみましたが、なんかもどかしいというかタイミングが違う感じがありました。ダンガンロンパも触ってみたけどこっちはさほど違和感ないですね。RPGやSLGやノベルゲー向きでしょうか。
CPU使用率は高くて20%ちょい、GPU使用率は20%に届かないぐらいなのでバッテリーは結構持ちそうなのがいいところ。
一瞬ラグったな、みたいなものは時折発生しますが、その辺は仕組み上仕方ないところかと。非公式アプリじゃなくてMicrosoftさんが公式でValveと提携する方向で頑張ってくれればいいんですが……。
(Game Passの乗り入れの話し合いはしてるとか報道はされていましたね、とりあえずハードルの低そうなXbox必須のリモートプレイだけでも投入してくれればいいんだけどなー。Xboxで遊んでて、そろそろ寝ようかと思ったときにベッドでちょっと続きができるのありがたいんですけども)